2018.10.31 05:39サマーナイトブルース verse.5開かないままの金庫は、私が祖父の家に出向く際はなるべく触るようしていた。何故かそれが義務のようにそれに躍起になってしまい、祖父の家では金庫の部屋に篭りっきり、母はそれを心配してか私を祖父の家に近づけないようにしていった。 高校を卒業する間近に、おばあちゃんに会うために久しぶりに向かった。そこで幼馴染にも再開しました。祖父の家に行っても金庫に夢中で、彼に会うことも殆どなくなっていたので、久しぶりに彼を見ると少し大人になっていたように感じた。「元気してた?」私はそう聞くと、元気だったよ!お前は?「それは勿論、何も問題ないよ」と返した。彼は「いや、俺はそう思わない。お前のところのおじいちゃんが亡くなって、塞ぎがちで家に篭りっきり。」少し間があり。「...
2018.10.30 11:53Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.8]私は手を伸ばした、友達を見捨てるまいと。彼は私の手を取った、だがそれは残酷な状況であったことに間違いはない。早く上がれ!わかってる!!引き上げてくれ!上げてるよ!!ここに手をかけろ!うわ!あいつらが足を掴む!助けてくれ!力を入れろ!!!馬鹿野郎!!!うわ!ダメだ!助けてくれ!諦めるな!!!彼は半ば諦めた顔をして、お前だけでも逃げろと言った。「くそったれーーー!!」私だけがダクトの中に居た、友達の叫び声は聞こえなかった。ダクトを伝い屋上まで向かうことができた。そこには先程とは思えぬほどの感染者の数、あれ?マジのやつじゃないこれ?いやいやこれどうにも出来ないでしょ。私は諦めた、友達と同じ末路を辿るのかと屋上で考えていた。「いや待て、これは設定上って言う言葉...
2018.10.29 12:09愛の証明我々が生まれて死ぬまでに森羅万象を知りそれに触れ、光に成るまでその命を全うする。果たして人間の寿命でそこまでに成り得るかと言えば不可能だろう。人類の灯火が生まれるの時、芯が蝋を溶かし光が消える時。蝋の長さは必ずしも平等とは言えないだろう。彼女は息が途絶えながらも走る、真実とはいつもそこにあるが、それを知る為に向かう。愛し合い、互いに信頼関係が成り立ち、魂を削りながら人生を共に歩むはずだった。私は信じない、そんなことは無いと。整備されていない道は果てしなく感じた、車はガソリンが切れ、向かう手立ては足しかない。彼女は幸せな家庭と未来、希望を抱いていたし、それは確証されたものだった。足は靴擦れ、手は枝葉に当たり小傷があり、服は泥で汚れてしまっていた。なり振り...
2018.10.28 02:47Bar/memento moriここはバーだが、俺は人間の派遣業もやってる。この世界には死にたい奴が多いらしい、今日も何人か来たよ。世界大樹って馬鹿デカい木のある森に入るっていうアホが、弓の使いと鉄槌使いを探してた。その経緯だが、その森から象3頭分ぐらいの鳥が出現してて人間に悪さをする。その鳥に賞金がかかったからそこに出向く奴が後を絶たない。それぐらい人を殺している怪物に挑もうってんだから笑わせる。つい最近も森に行ってきたクランが壊滅して、生き残った弓使いがここに登録してきた。一度見た怪物なら心の準備ができてるから紹介してやった。だがハンマーを使う奴は、ここ数年見てない残念だが他の使い手を探せ。この世界には馬鹿デカい木のある森に、洞窟、湖、まぁなんでもある。そこには獣成らざるもの、人...
2018.10.27 13:51Bar/alternative[CyberCity]ココから立ち去りなさい、立ち去らないと処分します。アナタはこの国の脅威となっております、法律によりアナタはアンドロイドの攻撃を保証されておりません。降伏される場合は、法の執行、抵抗されたとみなされた場合は処分します。この世界は機械と共存するために模索している段階だが、今は機械側が強くなっている。犯罪率は下がる一方で、完全に無くそうとする傾向により、軽犯罪や冤罪までも目の敵にされている。俺の状況はこうだ。酒を夜10時以降に飲むと、犯罪ということらしい。昔こうじゃなかったのにな、俺が好きなオルタナティブも最近では、国の監視下に置かれるとかなんとか。人間の感情を逆なでするこの状況は、本当に安全安心なのだろうか、どうやってこの状況を説明するかが面倒だ。それでは...
2018.10.26 12:12サマーナイトブルース verse.4私は初めて人が居なくなる悲しさを知った、学校の友達であったり、部活の先輩、親戚の面白いおじさんとか幼馴染とか。まだ会えると思える人間と、そうじゃない人は違う、そうでしょ?もし生きている人間が宇宙の彼方に旅行できる時代になって、何年も会えなくても、生きていると思えたら何の苦もないはず。安全で健全に暮らせるように。あの時の私はまだ幼くて、心が弱くて、ただただ悲しみの深さから抜け出せなかった。厳密に言うと今も抜け出せていない。祖父が大事にしていた金庫は、親族親戚含め分からなかった。財産という財産は、丁重に扱われ祖父の意向に沿う形で処理された。おじいちゃんはいつもこう言ってた、「金庫は金品以外にも持ち寄れる、じいちゃんの心、頭そのものもあの金庫に入れてある。恥...
2018.10.26 11:49今からの目標"一万字以上の短編を書く""長編を書く準備と材料探し""毎日必ず何か書く""自分が好きな曲を脚色して、物語にしてみる""上手く文章が書けるようにいろんな人の文体を確認する""言葉は一つじゃないので、例えや違う文章で同じ意味になるように知識を増やす"今からの目標と自分の文章が将来の仕事として生きていけるように絞り出せるまで絞り尽くしてみようと思います。枯渇したときに努力が終了したと考え、才能があれば書き続けれると信じて進みます。地道に数こなして行くので、楽しみにお待ちください。
2018.10.25 12:41Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.7」このバーの周りに感染者が集まり、私達の新鮮な血を求めているバンバン叩くたびに、ガラス張りの壁は割れたヒビを広くしていった。息を飲む音でさえ止めてしまいたい、そう思えるほど状況は悪化していた。って、何これ?いきなり緊迫感出しすぎじゃない?えっ?死ぬの俺ら?友達に私は言った、天井にダクトがあって外に繋がってるんだよ、汚いけど背に腹はかえられないから行くか。二つ返事とはこのことだった、烈火のごとく、音速いや光速、食い気味の極意という感覚だった。バンバン!!!バン!!!ガラスが軋み、鈍い音が店内に響き、透明な反響音は、心を動揺させた。時間はもうない。おい!早く登れ!行くぞ!私は汚い言葉を出し促した、椅子をステップ代わりにして、天井のダクトを開けた!私が先に登り...
2018.10.25 11:44Bar/alternative[Dirty]土煙が舞う、風が強く目を開けるのもやっとなぐらいだ。荒くれ者が私の選んだ酒を飲みに来る、鉄軌道がようやくこの街にも通り、それ以上に治安が悪くなった。鉄道が走る中でも、馬というのは役に立つ。西部の人間は馬、銃、腕っ節、それで成り立っていた。でも、ここ出身の人間は悪いやつは少なかったし、熱心に教会へ通うやつも多かった。それと風の噂で、金塊を乗せた鉄軌道がこの町に来て1時間だけ休憩するそうだ、ここには正義感溢れる人間ばかりだギャングなんかに支配されてたまるか。リボルバーはいつも革のショルダーにある、ギャングがこの店に来たらこう言ってやる、「お前らに飲ませるのはミルクだけしかないがいいか?」と。汚い仕事は正義かと言われたら、そうじゃない、この町を守るには手を汚...
2018.10.24 13:29朝焼け夏であってもやっぱり朝は寒い、寒い中でどう過ごすかと考えるほど、眠気がくる。鼻をすすりながら、覚めない頭をどうするか考えているけど、心地よいかもしれない。夜から燃えている焚き火に薪を投下する。優しくそして熱を下げる昨夜までの木は、新しい枝葉に熱を移す、移った火はその役目をまた再燃させる。その焚き火の上に、小さいポットを乗せ、水を温める。沸き上がる水を暖に取り、湯気で水がなくなるほどに時間がたったと感じた。朝の寒さは深く、そして凍えるものだった、カップにインスタントのコーヒーを入れ体に熱を移す。今まで家に帰り、文明の叡智と加護を受けてきた人間には、とても辛く大変なキャンプだった。昼は暑いのに、夜は寒く、またご飯もレンジで温めきれず、焚き火の調理は不慣れそ...
2018.10.23 12:25星が見れるような暗い夜二人で久しぶりにお洒落なレストランで食事をする。互いに忙しくて最近は昔みたいに遊びに行くことも減ってしまった、そんな状況が嫌で僕は彼女を連れて、洋服を選んだり、最新のスイーツを食べに行った、それは笑顔が絶えないそんな1日だった。僕たちはバイト先で出会い、僕が彼女に恋をし、心の底から彼女が輝いて見えた。歌手が歌詞に使うように彼女を知って、世界が変わってしまった、彼女と話がしたい。僕は彼女に緊張がバレないように、平静を保ち、デートをする約束をした。全部が楽しくて新鮮に感じ、何をしなくても笑顔が漏れてしまう、約束の場所で待つだけでも、それは食事でも、ただの会話でも、同じものを見ている君の横顔でも。見惚れてしまうとはこのことだと分かり、初めて物心がつくという感...
2018.10.23 11:20Bar/alternative[弱いです]必ず僕はこう言う、お酒には弱くてダメなんですよ。それは相手に対する牽制と、もう関わって欲しくないから主張してます。そんな中、同僚に誘われたバーは、やけにロックのような激しい音楽が鳴り響いていた。でも初めての状況に少し舞い上がり、飲めないお酒も進んでしまった。隣で一緒に飲んでいた人たちが、バーから出て行った、もちろん知らない人達。僕の中で初めて朝まで飲んでいたいと、そう思えた瞬間が目の前で起きた。花火が弾けるように、心の隙間に入り込みかのように、目が離せなかった、扉を開けて入ってきた彼女に。彼女は店主と話をしていた、彼女は同意するかのように[イェーガーボム]を頼んでいた。店主に変わりたいと心から願った。それでは今日のお話が楽しめたなら、次のお酒を頼んでい...