愛の証明

我々が生まれて死ぬまでに
森羅万象を知りそれに触れ、光に成るまでその命を全うする。
果たして人間の寿命でそこまでに成り得るかと言えば不可能だろう。
人類の灯火が生まれるの時、芯が蝋を溶かし光が消える時。
蝋の長さは必ずしも平等とは言えないだろう。

彼女は息が途絶えながらも走る、
真実とはいつもそこにあるが、それを知る為に向かう。
愛し合い、互いに信頼関係が成り立ち、
魂を削りながら人生を共に歩むはずだった。

私は信じない、そんなことは無いと。
整備されていない道は果てしなく感じた、
車はガソリンが切れ、向かう手立ては足しかない。

彼女は幸せな家庭と未来、希望を抱いていたし、それは確証されたものだった。
足は靴擦れ、手は枝葉に当たり小傷があり、
服は泥で汚れてしまっていた。
なり振り構って入られないようだった。

でも、彼女は違う違うと自分自身の考えを正当化する。

「はぁ、はぁ、はぁ。」

そこには火があった、炎だった。
大きな火柱は何かを模したものを炭にしていく。
黒装束に松明、白装束の誰かが火柱の近くで横たわっていた。



私は彼の欺瞞を愛していた。


座り込んだ私の顔を後ろから優しく手が触れる、
「見てごらん、君には感謝しているよ」


人間は最後に光に成れるのか、
黒い炎は紅蓮を纏いながら天を貫いた。

-愛の証明- End.

雷霆を告げる音

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