二人で久しぶりにお洒落なレストランで食事をする。
互いに忙しくて最近は昔みたいに遊びに行くことも減ってしまった、
そんな状況が嫌で僕は彼女を連れて、洋服を選んだり、最新のスイーツを食べに行った、
それは笑顔が絶えないそんな1日だった。
僕たちはバイト先で出会い、僕が彼女に恋をし、心の底から彼女が輝いて見えた。
歌手が歌詞に使うように彼女を知って、世界が変わってしまった、
彼女と話がしたい。
僕は彼女に緊張がバレないように、平静を保ち、デートをする約束をした。
全部が楽しくて新鮮に感じ、何をしなくても笑顔が漏れてしまう、
約束の場所で待つだけでも、それは食事でも、ただの会話でも、同じものを見ている君の横顔でも。
見惚れてしまうとはこのことだと分かり、
初めて物心がつくという感覚を味わった、何をしていても彼女を欲しいとも思った。
3回目のデートで彼女に告げる、君が好きで好きでたまらないことを。
僕はこの人生の中で感じたことのない嬉しさで、気を失いそうになるのを深い深呼吸で整えた。
そして今日に戻る、何もかも美しく輝いていた日々は、少しずつ色を失い、
平凡そのものだった。
僕たちは意見の違いや、些細なことですら喧嘩をした、一緒に住むようになっても、
悩みは尽きなかったし。
彼女を理解できない日や、日々の忙しさに怠けていたけど、
でも僕は、心の中で彼女を愛している、それは揺るがないことを確信している。
それを失くすことの方が僕は耐えられなかった。
「今日は楽しかったね、ご飯美味しかった?」
僕は彼女に聞くと、うん。と言ってくれた。
また、こういう日がくればいいね、と。
テーブルの上に置かれた彼女の手をそっと握る。
近いうちに必ず食べに来よう、僕はそう言うと、彼女の目を見つめた。
握った左手を離さないまま、僕は白い箱を彼女の前に置いた。
彼女は息が止まり、喉が動くのを感じた、そして目が潤むのを必死に堪えていた。
「これを開けて欲しい」と
彼女は一言、
「はい」と
彼女は堪えていた涙を、声を、漏らさないように俯いた。
僕は声が震えないように、こう伝えた。
お店を出ると街灯などが輝く中、月の出ていない暗い夜空に、
指輪以上に輝く星空を見た。
- 星が見れるような暗い夜 - End.
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