朝焼け

夏であってもやっぱり朝は寒い、

寒い中でどう過ごすかと考えるほど、眠気がくる。

鼻をすすりながら、覚めない頭をどうするか考えているけど、心地よいかもしれない。


夜から燃えている焚き火に薪を投下する。

優しくそして熱を下げる昨夜までの木は、

新しい枝葉に熱を移す、移った火はその役目をまた再燃させる。

その焚き火の上に、小さいポットを乗せ、水を温める。


沸き上がる水を暖に取り、湯気で水がなくなるほどに時間がたったと感じた。

朝の寒さは深く、そして凍えるものだった、

カップにインスタントのコーヒーを入れ体に熱を移す。


今まで家に帰り、文明の叡智と加護を受けてきた人間には、

とても辛く大変なキャンプだった。


昼は暑いのに、夜は寒く、またご飯もレンジで温めきれず、

焚き火の調理は不慣れそのものだった。

全てが不器用で一人では難しかったが、それを達成する感覚は、

子供の頃にできなかったものをクリアしていくように、私の心を奮い立たせた。

忙しい日々になぜこんな面倒をやってしまったのだろう。


でもいいんだ、夜の星空は計り知れない幸福感を私に感じさせたし、

また夜の怖さを再度認識させてくれた。


次は釣りもできるようにしようか?

バイクで景色を感じられるように免許でも取る?

寒さに凍えないように、装備も充実させたい。

でも願いとは裏腹に現実に戻る私はとても怠け者、家が恋しいけど、

この思い出となる今も恋しくなるはず。


次は長く一人で過ごせれば、強くなれるかな、

いや、深く考えないでおこう。

朝焼けに靄がかかる太陽を、光に逆らわず受ける。


大きな音でお腹がなった、ジブリのベーコンエッグでも作りますか。


香ばしい匂いはさらに思い出の一つになっていった。


- 朝焼け - End.

雷霆を告げる音

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