2020.04.26 05:48パラドックス今世界的に恐怖で縮こまっているのが我々人類である。何故こんな大事になってしまったのだろうか。ふと思う時に、自分たちはパンデミックに入った側のパラドックスなんじゃないかと。前にこれをやっておけば良かったとか、実は、ウイルスを流出させたのは未来の人間が!とか、色々な事があるなかで、何故か自分たちと全く同じ世界に生きてて、こんなウイルスが蔓延するような事態に陥ってなくて…これが人生で、幾度となく繰り返しては、人生の最終局面を迎えて。これから悪いルートを取らずに、今まで通りの世の中になることを願うばかりだ。人と人が互いに協力し合い、命を繋ぐリレーを今この瞬間も続けないといけない。この世界に中指立てて、もとの平和なルートに戻る。なんて、思ってところでどうにもなら...
2019.03.20 04:56着信今日は仕事が忙しくて帰る時間が遅くなった、はぁー疲れた、明日も仕事だってことが分かってるからこそ更に疲れる。機嫌もそんなに良くない時に、携帯電話から着信がある、しかも非通知でだ。運転中で非通知なら取るのは億劫だし、非通知は基本的には取らない、だが、一度ならまだしも、2回目、3回目、4回、これは耐え難い。スピーカーにして取ってみるか。「もしもし?あのー誰ですか?」「ようやく取ってくれましたね東さん」「どなたですか?」「誰でもないですよ、僕のことは気にしないでください」「え?!イタズラですか?」俺はそれがわかると電話の男の返答を待たずに電話を切った。するとすぐにまた着信だ、イライラする、電源を切るか。メッセージ機能で「車を止めずに電話を取れ後悔するぞ」との...
2019.02.17 09:21響くこの戦いは長かった。戦場とはいつまでも続く地獄であり、人間は人間を辞めなければいけない。今日も酷く曇天であり、額に雨が滴る。幾数千年も神々は禍と攻防を繰り返してきた。時には勝利に近づき、時には敗走した。それが終わりを迎える。この"雷霆の告げる音"ここに顕現、霆の神。
2019.02.10 13:23小さな光暗闇の中ゆらゆらと、漂うように光を待つ。小さな光は針の穴程度であろうか?目を開けるように隙間から光が集まっている。それは人が初めて経験し、最後にまた見る光景。祝福され、大きな喜びと共に時間を掛けて、愛を育む。でも何故だろうか、時というものは儚いものだけど人は忘れている。自分自身がその時になってしまったら命を燃やそう。誰かの涙は、一人の時間を寂しくさせる。足りない時間に、言えなかった言葉、失ったものの大きさは貴方にしか分からないはずです。心の奥底には一体なにがあるのだろう、残されたものは、苦しくも儚い光を見るまで生きていく。"ただ遠くまで 夜が明けるまで 光になるまで 遥か彼方の 生命を超えた ...
2019.01.25 12:51緩やかな怒り日常的にあれをしようとか、これをしようって思うたび、それが叶わないと落胆しないだろうか?小さな不満や不平は、やがて心に静かに蓄積していき、いつかはそれに落ち潰されてしまう。それはあまりにもゆっくり積もるものだから、重さを感じる前に慣れてしまい、耐性みたいに我慢できてしまう。堪忍袋との言葉はこの時使っても問題ないかと思う、蓄積された怒りはいつも別の部屋に保管されているし、その場面にならないとそれは引き出されない。風船、コップの水、洗濯機の中身、溢れるのはいつも自分の時だけ。一度割れたり、溢れたり、入らなかったりすると次に何をするだろうか?緩やかな怒りは、いつも貴方の心の奥に、小さくも微弱ながらも貴方を蝕む。
2019.01.09 09:54無邪気な笑顔僕はなんでもない高校生で、普通の生活をして、冴えない友達と遊んで。そして女を知らない。そんな童貞がなにをするか?いーや何もしない、て言うか何も出来ないのが正解だろう。でもムッツリだからこそたまにやってしまうのが、水泳部の練習風景を体育館の二階から覗くことだ、そしてそれしか出来ない。そこにはヤンキーと分けられてしまう人も居るが大概は誰もいない、体育館は他の部活動もしているので指導係の先生が顧問としているのでヤンキーにとっては目の敵だ。だからこそこんな冴えない奴は、ここに忍び込めるのだ。それにしても今日は暑い、体育館は異常なほどの熱気と怒号が激しく、汗が枯れるほど体内から水が出て行く。そんななかのプールとはとても涼しそうで、魅惑の空間だ。でも今日は暑すぎる...
2018.12.30 11:49いつも風が強い日だった、髪がたなびく。ただの雑居ビルの屋上で時間がくるのを待つ。この男はドフトエフスキーの罪と罰を読んでいる、それは何故か?多分意味は殆どない。雨が降り終わった後の風は、寒さを纏い凍えるように身体を冷やしていく。指も悴むように寒い日、指が動かなくなることは男の仕事としては良くないことだ。掌を見る男は、指を開いたり閉じたりを繰り返した。その時小さくアラームの音が鳴る、背広の内ポケットから連絡用のPHSを取り出しアラームを消す。PHSを仕舞うと同時に読んでいた本も片付けた。額からゴーグルを下げ、左縁の"Position"のボタンを押す。赤黒いゴーグルは、顳顬、眉間の間をゆっくりと詰める、水中ゴーグルの様にピッタリと合う。ゴーグルのレンズから覗くと...
2018.12.23 14:13掌「嫌だ!痛い!開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ、貴様が憎い憎い憎い憎い!」その声はこの周辺にも騒音となるほど大きなものだった。でもここだけにしか聞こえない、私にしか聞こえない。嫌だ、嫌だ、いや、いや、嫌嫌嫌!「貴様が憎い憎い憎い憎い!」その声が永遠と耳の裏にこびりつき、不快感と共に気が狂いそうになる。あっ…眩しさで目が開かないほどだった。眩しさに慣れた頃だろうか、周りがようやく見え始めてきた。雲のような模様やキャンディーの包み紙、甘い香りと焦げた匂い。シーソーがありブランコがあり、一本道を邪魔しないような配置。私は今までのことがあまりにも怖すぎて脳が壊れてしまったんだよねこれ?それかもう死んでしまったのかな?なんか心地よくて眠くなってきた…掌に生暖かい感...
2018.12.13 13:22百目人は時にして、自問自答をする。儚いことを望む時それは、人生のとばりにその先を隠されてしまうのです。大きな疑念は暗闇に落ちるでしょう、確たるものは己の信念以外には無いと存じております。貴方のその手に持つ双眼鏡は、何が見えているのでしょう?貴方の虫眼鏡はどこまでを覗くのでしょう?物事の本質はどこまでが、真実かはわかりません。ですが、それを見抜ける心眼は貴方が見えるものしか見えません。ここにはその心眼が必要です。この世界には百の目が貴方を見て、貴方もそれを見ている。"The BLACKFILM" - ランプ牧師より
2018.12.10 12:57ここをこうここをこう、そうそう、そのまま。もう一度、ここをこう、いい感じ、続けて。それは小気味いいリズムだった。ザッザッこれは完成しました。さぁ、次はこれでやりましょう、ここをこう、丁寧ですね、とても上手ですよ。さっきのは新鮮だったんですけど、これは…少し痛んでるかもしれません。廃棄しましょう。次は、いいですね、綺麗な赤みがかったものですね。さぁ、続けて。ジューシーな音が、それを一定のリズムがこの空間を満たす。"それ"を毎日ただ砕く、その毎日である。ダン…ダン…ザッザッ…ザッザッ…
2018.12.07 14:51The BLACKFILM煌びやかな世界、ネオン街、人、金、権力、そういう環境がここにはある。立場が違う場合人間というのは、どうしても上下関係を重んじてしまう。ライトが点滅しながら、女がステージで華やかに踊る。流行の音楽が店内を活気づけ、欲望という名の快楽がこの空間をより楽しませてくれる。"Longnite"ここのクラブの名前だ、覚えていて損はない、色んな人間が出入りしてる。若い奴から悪党、警察から有名人、各界のお偉いさん。何故かここに秩序はなかった、でも入るにはそれなりのことが必要だ。どこの世界にも悪いやつが全てを動かしている、実は悪気がなかったり、無意識だったというのもある。まず第一に普通に生活をしていて蟻が地面を歩いているとする、そこに蟻がいるとは分からずに踏んでしまうだ...
2018.12.05 14:11ギフトコンコン、お届け物でーす。「ガチャ」「 さん」ですよね?じゃあここにサインして、ありがとうございます。これは日常の一部にあるお届け物を受け取る風景です。ここまでの出来事に違和感は感じないでしょう、それが対人、対価値観、対時間なら考え方は変わるでしょうか?贈り物はそれを飛び越えてやってきます、貴方の状態、時間、時期に関わらず。それは光に包まれたり、それは闇の中に入り込むように、それはジワジワと貴方に迫ります。それは祝福であり、それは呪いであり、それは貴方次第です。私は受け取ります。もしそれが宝箱でも、パンドラであっても。