「嫌だ!痛い!開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ、
貴様が憎い憎い憎い憎い!」

その声はこの周辺にも騒音となるほど大きなものだった。
でもここだけにしか聞こえない、
私にしか聞こえない。

嫌だ、嫌だ、いや、いや、嫌嫌嫌!

「貴様が憎い憎い憎い憎い!」

その声が永遠と耳の裏にこびりつき、
不快感と共に気が狂いそうになる。

あっ…
眩しさで目が開かないほどだった。

眩しさに慣れた頃だろうか、
周りがようやく見え始めてきた。
雲のような模様やキャンディーの包み紙、
甘い香りと焦げた匂い。

シーソーがありブランコがあり、
一本道を邪魔しないような配置。

私は今までのことがあまりにも怖すぎて脳が壊れてしまったんだよねこれ?
それかもう死んでしまったのかな?

なんか心地よくて眠くなってきた…

掌に生暖かい感触があった、
それは鮮明な色の赤、

あっあっあっ、あああ

私は頭が混乱し始めている事に気づくが、
それは現実であった。

この世は理不尽で、
且つ暴力的で、
もう言葉…、出ない、もう何がなんだかわからない、嫌嫌嫌嫌嫌。

掌の赤い液体は流れ続け、
女はそれを顔に当て、泣き続けている。

「さあ、まだ遊び足りないな」
「女?まだまだまだまだ」
「次は目玉にするか?」

「お前は許さん」


「女、女、女」



震える身体は、意識があるのか、

「遊ぼう、お前が苦しみ悶えるまで」




 はぁ、と大きく息を吸い込むようにして目が覚めた。
汗が凄かった、
そこは紛れもなくベッドの上だったからか、急に現実に戻されて今までの事を思い出した。
最近頻繁に見る夢は日毎に恐怖感と現実感を纏っていった。

「もう…疲れた」

掌には赤いハンカチが握られていた。

雷霆を告げる音

自分のスペースみんなのスペース

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