2019.03.21 13:33巡る [笑う花 10話]夏も終わりってしまいもう秋だ、同僚とは何度かデートをして確信に近いものを感じている。俺はそれがとても嬉しいが、喪失感が徐々に心の中で大きくなってくるのがわかった。1つを得ると1つを失う、家に一人で考え事をしていても結局ショウに聞かれてしまう。ショウが居なくなってしまうのは寂しいが、叶わぬことだと懇々と言われては、ただの世間話をするしか出来なくなってしまった。「おい、ヒロシ!私の出番がめっきり減ってしまってるじゃないか」うわ!いきなり話しかけてくるなよ。「そんなことより私はそろそろ花を咲かせる準備をしないといけない」やっぱりそういう時期に入って来ているのか?「そうだな…なんだ?その顔は笑わせるなよ、堪えるのに必死になってしまうだろ?ヤメろ」誰も笑わせるよ...
2019.03.21 04:41成長著しいこんなに小さいのに少しづつ成長しているのがわかります。哺乳瓶の取っ手を掴んだり、言葉の練習で「うー、あー、あぃー」と言ったり、笑ったり。もっともっと大きくなれ。
2019.03.20 04:56着信今日は仕事が忙しくて帰る時間が遅くなった、はぁー疲れた、明日も仕事だってことが分かってるからこそ更に疲れる。機嫌もそんなに良くない時に、携帯電話から着信がある、しかも非通知でだ。運転中で非通知なら取るのは億劫だし、非通知は基本的には取らない、だが、一度ならまだしも、2回目、3回目、4回、これは耐え難い。スピーカーにして取ってみるか。「もしもし?あのー誰ですか?」「ようやく取ってくれましたね東さん」「どなたですか?」「誰でもないですよ、僕のことは気にしないでください」「え?!イタズラですか?」俺はそれがわかると電話の男の返答を待たずに電話を切った。するとすぐにまた着信だ、イライラする、電源を切るか。メッセージ機能で「車を止めずに電話を取れ後悔するぞ」との...
2019.03.12 14:36底の底 [笑う花 9話]1つの物事が動いてしまうと他のものにも目が向いてしまうことがある。そして意識していないのにそれは勝手に進み、己の決断を前にして全てが終わってしまう。仕事は上手くいってるし、人生の中で一番充実もしている。こんな時に何をして誰と会いたいのか、誰と話をして満たされていくのか、俺は人生でそんな考えや選択肢はなかった。悩んでしまうと、とことん悩んでしまうのが俺だ、しかもタチが悪い。一杯飲んで帰るか。細い路地にはもう寒い風が吹き始めてる、秋めいてきた時の寂しさは特に心にくる。"Bar/alternative"ここの店でゆっくり酒を飲みながら、悩みの底の底を漁るとしよう。バーのマスターと他愛もない話、あまり悩み事を打ち明けないのだが、今日は冗談も入れつつデートの誘い...
2019.03.05 03:11Bar/alternative[ジンとウォッカ]この2つのお酒は私にとって必ずないといけないものになった。ウォッカの無味無臭に近い"無個性"と、ジンは複数のハーブが重なり合い風味の強い"個性"がある。両者は対角にいるお酒だと私は思っている。今の日本のチューハイなどは殆どウォッカ使用でストロング系の頂点だと思わせるほどで、それに比べてジンは個性がある故、今の日本ではまだウォッカの後ろにいると感じている。だけど私のお店では、ウォッカとジンの売り上げは左程違いはない。何故か?明確な理由は多分ないが、ウォッカは色んな味に化けれるし、ジンは自身の特徴で味に深みを持たせられる。"無個性"は他のフレーバーにより力を貰い"個性"は他のフレーバーと共に力を増していく。だからこそ美味い酒を飲みたいお客は、両方共好きなの...