俺はグラスを磨き棚に戻した、
ここでは人が行き交いとても静かって状況じゃなかった。
獣の弱点や武器の使い手なんかの情報が店の開店とともに終わるまで続いてた。
でもそんな優先順位を飛び越えるものが、
扉を強く開いた先から来た。
血まみれの女は俺を一点に見つめ、
並んでいる列に強引に足を進め目の前まで来た。
野次が飛び交い俺が群衆を宥めようとするその一時、女は話した。
「あの森は中央の世界大樹を切り落とすのが本来の目的なの、
みんなもわかるわよね!」
それは店に響いたさ、そして皆が黙る。
「でもね、それに近づく前にあの大きな大きな鳥にみんな殺されるわ、
何故かって?あれは、見たものを覚えているから。」
この女は前回、クランからの要望により派遣させた弓使いだ。
クランは全滅こいつ以外は死んだらしい。
女は続ける。
「私は弓使い、弓使いは対象物を先に見つけやすいから、私もすぐにそれを見つけた。」
「あの鳥は多分私を見てた、
見てたうえで私に気づかない振りをしていたわ。」
それは確かな情報か?、と群衆から野次が飛ぶ!
「当たり前じゃない!あの鳥を二度見た人間は私だけ!分かる?私だけなのよ!
あの鳥が死んでたら私もクランも生きていたはず!でしょ?」
女は私はもう戦士を辞めると言い、
知能がある怪物にあの世界大樹を壊せる人間がいるのか?と声を枯らしながらも訴えた。
「あれは、私を見ていたけど気づかない振りをしていた。
私は目に当たるように完璧な仕事をした、
しかも矢は目に当たったし、
そいつの頭にめり込むように入ったのを見た。」
「私は合図を出した、倒れた鳥の方に」
そのあとは察してくれ、この女は心が折れちまったんだろう。
今日はもうお開きだ、さぁ帰んな。
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