Bar/alternative[雨]

グラスを磨いていた、
お客さんは少なく、天気は悪い。
外を見るからに今日は、忙しないようだ。

お酒の種類は少ないが、
特定の銘柄、カクテルには自信があった。

なぜそのようなことを思ったのだろう、と考えていると、
Barの扉が勢いよく開くのを見た。

雨に濡れ、片手には花束、スーツ姿で、イケメン、
古い表現だと二枚目。

カウンターに座る彼は私にこう言った。

「キツいお酒を一杯」

私はこのようなシチュエーションを考えていたが、
いざとなると焦ってしまう、ましては[プロポーズ]というカクテルの名前は知っていても作り方がわからない。
カクテルには自信があるとは今取り消そう。

私は彼に、
ロマンチックな酒は無いがテキーラならあると伝えた。

ショットグラスを一気に飲み干す彼は、
勇敢に見えた。

それでは今日のお話が楽しめたなら、次のお酒を頼んでいただけたら嬉しいです。

雷霆を告げる音

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