2018.11.17 00:23Bar/alternative[fatzombie of the dead. END]バタバタバタバタと、轟音鳴らしながら、自衛隊の基地にヘリが降りた。周囲のフェンスには車や戦車、更には机まで出され補強されていた。ここには安全が確保されているようには思えなかった。日本の自衛隊のレベルが日本人ながらハッキリしなかったのは恥なのであろう、ヘリから降りるよう誘導されると建物に促された。フェンスの外側には感染者と思われる人が蠢いていた。私はこの状況が最初は楽しかったと言えば不謹慎だが、どこか絵空事のようであった。だがどうだ?もはや感染することが死んでしまうことなのか、人類の進化と言われても、意思を持っているようにはまるで見えなかった。建物の中は長い通路があり、左右にはドアが点在しておりその1つに通された。中には救助された人達が目視できる範囲では...
2018.11.11 03:46Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.10]ヘリコプターに乗る私、それは友達を見捨てていることと同義だった。感染者が街を徘徊している、以前のトロい動きでは無い、音に向かって走っている者もいる。ヘリの音は大きい、追いつくはずはないのに彼らはこっちを目指して走っている。私は涙が止まらなかった、結局は現実であり、それに抵抗できず、ただただ運命に沿っているだけだった。人生には偶然、必然がある。でもそれは運命の中の一つだ、自衛隊もこのような状況になるとも考えて居なかったと思ったが、違った、このパンデミックは予想されていたらしい。何故か?この世界が本当に見ているものだけだろうか?これは本当に風邪のような菌が起こしたことなのだろうか?自衛隊の人は言った、結局はみんな感染する、そしてそのまま人間は進化するのだと...
2018.11.04 07:12Bar/alternative [fatzombie of the dead pt.9]自衛隊だろうか、それは分からなかったが、助かったと安堵していた、だけど感染者が屋上に登っていることも事実。あいつも感染者になってしまっただろう、すまないと心で何度も謝った。ヘリからロープが垂れて、自衛隊と思しき人が降りてきた、「あなた一人ですか?」そうです!と大声を出した。彼は私に安全帯は腰に付け、カラビナが付いたロープを帯にかける。「時間がないから抱えるので、あなたも僕にしがみ付いて!」私は必死に彼に抱きつき落とされまいと歯を食いしばった!ロープが緩やかに上がる、ヘリもそれと付随するかのように浮上する。私は友達のことが心配でたまらなくなった、彼だけ死んでしまっていないだろうか?そんなことが今になり恐怖感に変わってしまった。感染者が少しずつ屋上に押し迫...
2018.10.30 11:53Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.8]私は手を伸ばした、友達を見捨てるまいと。彼は私の手を取った、だがそれは残酷な状況であったことに間違いはない。早く上がれ!わかってる!!引き上げてくれ!上げてるよ!!ここに手をかけろ!うわ!あいつらが足を掴む!助けてくれ!力を入れろ!!!馬鹿野郎!!!うわ!ダメだ!助けてくれ!諦めるな!!!彼は半ば諦めた顔をして、お前だけでも逃げろと言った。「くそったれーーー!!」私だけがダクトの中に居た、友達の叫び声は聞こえなかった。ダクトを伝い屋上まで向かうことができた。そこには先程とは思えぬほどの感染者の数、あれ?マジのやつじゃないこれ?いやいやこれどうにも出来ないでしょ。私は諦めた、友達と同じ末路を辿るのかと屋上で考えていた。「いや待て、これは設定上って言う言葉...
2018.10.25 12:41Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.7」このバーの周りに感染者が集まり、私達の新鮮な血を求めているバンバン叩くたびに、ガラス張りの壁は割れたヒビを広くしていった。息を飲む音でさえ止めてしまいたい、そう思えるほど状況は悪化していた。って、何これ?いきなり緊迫感出しすぎじゃない?えっ?死ぬの俺ら?友達に私は言った、天井にダクトがあって外に繋がってるんだよ、汚いけど背に腹はかえられないから行くか。二つ返事とはこのことだった、烈火のごとく、音速いや光速、食い気味の極意という感覚だった。バンバン!!!バン!!!ガラスが軋み、鈍い音が店内に響き、透明な反響音は、心を動揺させた。時間はもうない。おい!早く登れ!行くぞ!私は汚い言葉を出し促した、椅子をステップ代わりにして、天井のダクトを開けた!私が先に登り...
2018.10.20 13:28Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.6]友達を無視し、すぐに蓄電池を確認しに行った。だけど案の定壊れていた、外傷とかはなく怪しいけど、一応聞いてみた。これ本当に最初から壊れてた?と。「それは本当に壊れてた、どこ押しても動かなかったし、それとドアを壊したことは謝る。」いきなりの謝罪に、逆に不信感が募ったが、仕方ない、設定上でしょ?理解しよう。状況がわからなかったので、友達に聞いたが私と同じだったが、「でも」と、友達はこんなことを言った、最近流行りの海外の風邪らしいと。え?風邪?血とか噛まれたりとかの感染以上に移るでしょ?やばくない?そんな話を気にせずしていると、警報が鳴った、「感染した患者達の攻撃性が高まり、また動きが早く活発しており、とても危険です。患者の目の周りがピンク色になると、その症...
2018.10.15 13:35Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.5]ゾンビの動きが遅いのに、私自らも動きにくくて遅くなってしまっていることを虚しく思いながら、ゾンビに触れないようにトボトボ歩いていた。前途多難!ゾンビの危機が迫る!ダイハード!バイオハザード!!!!的なことは、なかった。バーへの経緯は皆様のご想像にお任せします。バーに着く前に友達に連絡していたので良かったが、バーに着いたら窓ガラスが割られており、バリケード的なもので塞がれていることに怒りを覚えていた。そのバリケードをせっせと退かし人一人入れるスペースを作っていた友達にこう言った。「なにも壊れてないって言ったじゃん?なんで?ガラス割れてんじゃん?」えっ?だって鍵ないから叩き割るしかないだろ?なに怒ってんの?って返しに縁を切ることにしたのは紛れも無い事実だっ...
2018.10.09 05:08Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.4]待て待て、行くにしても準備をしよう。刃物はダメ、フライパンぐらいか持っていけるのは。テレビからこんな放送が流れた。噛まれたら感染、血を浴びても感染、触れるのもオススメしない。オススメしないってなんだよ、馬鹿かこいつ?そうと分かれば、肌寒くなったいま、厚着をして噛まれても大丈夫なようにしよう。まずは、インナーつけて、ジーンズ付けて、長袖とジャケットはこれと触れないから手袋付けて、買ったばかりのサングラスがあったななんかいい感じの格好じゃん?いいなこれ…違う、そーじゃないファッションショーかこれは。一応一通り準備を済ませて、外に出た。私の車の前にお隣さんがまだいる。少しだけ這いずってるようだった。ノーコメントで。通りに出ると、えー…結構いるよ、なんで?さっ...
2018.10.09 04:28Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.3]部屋に戻ってきて、パソコンやらテレビやらで情報を集めて、えーっと、[ゾンビは動きが遅く、まだ特効薬がない。][移動するには車より、徒歩、あちこちに感染した人間がいる!][病人なので殺人罪が適用!彼らはモンスターではない!]うーん、家から出ないほうがいいか?友達から連絡もあったし、また連絡するか。電話を掛けると都合よく取った…友「お前どこにいるんだよ?!俺からのメッセージ見たか?」私「今家で、停電もしてないし動かないほうがいいかと思ってるけど、そっち行く?」友「当たり前でしょ!そこは安全なのか?」私「そりゃー安全で」話を途中で切られた。友「そういうことじゃない、そーじゃない、こっちはお前のバーにいて、停電してるんだ!」私「あー、蓄電池があるからそれに切り...
2018.10.08 12:23Bar/alternative[fatzombie of the dead pt.2]あれはお隣さんかな?ちょっとどうしたもんか、殴るって言っても物がないしお隣さんだし、ゾンビが治ったら悪いことしたなーってなるし…石かなにかは、ないよねー、小銭があるか!なけなしの10円を駐車場の奥に投げてみる。ヒュッと投げると天井に当たって、悲しいかな私の車の目の前に落下した。最悪じゃんこれ、どーしようこれ、お隣さんがゆっっっっっくりこっちをみて、ゆっっっっっくり足を出して、やっぱり変だよなー。あれ?遅くない?動き遅くない?お隣さんの動向を見てるけど、いやいや、おッッッッッッッそッッッッッッッ車の前でずっと10円見てるだけだし、なにが?どうした?わかった、もう一枚使って奥にちゃんと投げてみるか。次は成功した、お隣さんのゾンビっぽいのが、ゆっっっっっくり...
2018.10.08 10:46Bar/alternative[fatzombie of the dead]なんてこったまさか本当にこんな日がくるとは思わなかった。映画だけの話だろこんなのって、いつも通りバーで仕事して、疲れが溜まってたせいか、仮眠をして家に帰ったんだ。帰ってバーの売り上げ、仕入れのことやら色んなことを済ませ寝た。寝たまではいいけどお昼過ぎに起きて外を眺めてると、事故を起こしている車が多い。えっ?なんだこれ?スマホに友達から連絡が来ていた、「ゾンビがいるんだ!合流しよう、お前のバーで待ってる」なんだそれと思い、ジョークにしては大袈裟な。テレビをつけると阿鼻叫喚、地獄絵図とはこのことだと悟った。友達に電話をしたが繋がらない、車で向かおうと思い、玄関を開けると血だまりがあった。こんな時は、音を立てないほうがいいんだよな?ゆっくり、ゆっくり…階段を...