2019.04.13 14:38非日常 [黒と白 2話]階段を一つ飛ばしで降りる、駐輪場は階段下のすぐ横にある。だが降りてくる最中に自転車の鍵を忘れてたことに気づいた。「やべぇやべぇ」声に出る、急いで部屋に戻り鍵を取る。こんな数十秒ですら危機感が込み上げてくるのがわかる。自転車の鍵を外し、全速力でペダルを漕ぐ!ありゃー一体なんだ?それとあのバイク乗ってるやつもなんなんだよ全く!そのまま酔っているのに頭は冴え、酔っているどころじゃない。隼人は一体どこに逃げればいいか考えた、考えてどうこうできる訳じゃないが一旦後ろ振り向く。…するとどうだ?案外ユラユラは速くない、でもよく見ると、何というか波だ。海の白波が海岸に打ち上がるように、一定の間隔で干潟に潮が満ちるような感じで、闇がユラユラと進んでいる。歩いたり走ったり...
2019.04.01 08:46あとがき [笑う花]この話は1話だけの予定でしたが、何故か続けてしまったものです。現実と非現実の狭間で人間の成長を書いていますが、そんな予定でもありませんでした。ですが、足が生えたかのよう独り歩きしていき今にも至ります。今回はこれで終了ですが、続きを書いてみたくなってきて、いつかまたショウに会える日を心待ちにしててください。
2019.04.01 08:07次の世代に [笑う花 11話]ショウが喋らなくなって2ヶ月、秋の涼しさから寒い北風が吹くようになってきた。ショウの花は茎から出た葉から一輪ずつ開き、今までの成果を俺の見せつけているかのように咲き誇っていた。この花は一体なんだったろうか?何故俺なんかに語りかけたのだろうか。同僚から貰った種は、芽からやがて花までと、その人生を終える。最後の花まで、ショウは喋ることなく散ってしまい、同僚から貰った見覚えのある種だけになってしまった。俺はこれから先も、これを繰り返し、またいつかショウに会えることを願いながら、日々を生活しよう。---- 3年後 ---- 俺は、同僚と結婚して2年が経つ、そして今妻のお腹には自分の子供がすくすくと育っている。あの日々を忘れるわけではないが、ショウが最...