俺は夢を持った高校生、
「叶 夢之助(カナウ ユメノスケ)」
この名前は俺の信念であり、誇りだ。
俺は夢を叶えるべく生まれ、そして天寿を全うしよう。
俺は物心がつく頃には、絵を描くことに魅了されひたすらにペンで思いを描き殴り、
個性を爆発させてきた。
そんな俺が最近行き詰まっていることがあると感じはじめ、
ある絵画教室に通うことにした。
「くそ、悔しいが新たな学び、新たな仲間たちと新天地にて気を引き締めなければな」
そう想いを寄せながら、ここ、
「情熱の山岳(じょうねつのさんがく)」に入校させていただくことにした。
ここはあの日本では名高い、
「底無 新太(ソコナシ アラタ)」先生が講師をしている。
この教室の名前の由来は分からないが、パンフレットにはこう記されている。
"ここを受講するということは、ただの登るだけの山ではないことを肝に銘じよ"
絵画教室なのに山に例え、試練の標高がエベレスト級だと伺える。
そして、ここが。
- 情熱の山岳 -
「着いてしまった…、久しぶりの胸の高鳴りと緊張感、武者震いがするぜ」
だかその武者震いは、すぐに止まることになる。
絵画教室とは言っても雑居ビルの一角、
そして三階に位置しており、階段のすぐ隣だ。
だが誰も感じ取れるとは思えないが、
"叶"は気づいていた、圧倒的な暑さを。
「それにしても暑すぎる、まだ冬真っ只中なのに真夏かここは?」
教室に手を伸ばそうとしても、熱波でそこにたどり着けるのか?ここは砂漠ではないのかと錯覚してしまいそうだった。
あとだたの数歩でドアに手が掛けれるのに届かない。
「熱中症で倒れてしまいそうだ、クラクラする、まるで砂漠だ」
あのオアシスは近いのに届かない、蜃気楼のように揺らいでいる。
叶!果たしてたどり着くのか!?
続く…。
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2019.01.30 16:12