考えてる[笑う花 7話]

今日はずっと考え事をしてる気がする、
仕事に影響はないけどそれ以外のこと、
心がもやもやするというか、なんと言うか。

まだ暑さが残るというのに、
俺の心は少し吹き荒ぶっている、
寒さだって感じそうなぐらいだ。

職場に来るのが楽しみになっていた自分自身が少し嫌になってきた。
ショウめ、いらんことを言ってからに。

どうしようか、同僚にこのモヤモヤを伝えるべきか?
本当はモヤモヤ…じゃないよなこれ。
あの日以来互いにタイミング合わなくなり、会話も減って時間が悪戯に進んでいく。

デートか…、何年もしてないし、
誘い方も忘れた、遊び方だって。
大人になると昔のことを直ぐには思い出せなくなる。

家に帰るか。

「ヒロシ、考え事か?」
そうだよ、考えてる。
何をとは言わない、大体心が読めるならワザワザ聞かなくてもいいんじゃないのか?

「そうか、すまなかった」
ふーむ、言いすぎたかな?
でもこっちも手一杯なんだ、察してくれ。

「一応だがヒロシ、願い事は決まったか?
大金持ちになりたいとか、豪邸がほしいとかは無理だが」

うん?願い事?

「小さなことで申し訳ないが、仕事が上手くいきますようにとか」

仕事ねー…

「テストで良い点が取れますようにとか」

なんじゃそりゃ

「あの子と上手くいきますようにとか」

……何?
小さなことの願いは叶うのか?

「叶えられるかはヒロシ次第だが、良い局面にすることは多分できる」
そうなのか?冗談とばかり思ってた。

「おい、馬鹿にされては困るな」
わかった、ごめんごめん。
なんか、今日はなんか気を遣わせて悪かった、またこのことについて話すよ。

「早めに頼む、それと水くれ」
はいはい、神さま。


それと俺に少しだけチャンスをくれ!




続く。

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