緊張[笑う花 6話]

大丈夫、大丈夫!大丈夫…だよな?!
意識してしまうと本当にダメ、負けた気分になる。

あー、
朝起きてまさか真っ先にあいつの事を思い出すなんて、
気もそぞろになり集中力なんてあったもんじゃない。

準備をしてそろそろ出ないと、
それにしても、なんで…
どーしたらいいんだ。

いやいや早く出ないと!

「楽しんでこいよ」
うるさいな!そんな余裕ないんだわ!

会社に着いて、
今日の業務を確認する、発注書やら昨日の案件を再度…

「あら?今日は靴下が左右逆ですね?何かありました?」
えっ!?

「何でそんなに驚くんですか?!毎回ビックリしますよ、もー」
いやいや名前呼んでくれないと、
誰でもビックリするでしょ?!

「そうだ!こんなに驚かせて嫌な思いしたから、お昼奢って下さいよ」
へぇぁ?

「嫌なんだ」
そんなことない、ない!

「なら何食べるか考えておくので、宜しくです」
わ、わかった。

わかるわけねぇーだろ!
ことが上手く運びすぎて俺病気になったりしないよな…?
えーっと、飯?
飯行くのか?誰と?あいつと?

嘘だろ…

チラチラ同僚を見て居たのか、
お昼時間になり、
「なんか今日よく目が合いますよね?」
そ、そう?そうか。

「あー、もしかして」

緊張で心臓がぶっ飛びそうだ、
なんだこの気持ち、なんか嬉しいようなそうじゃないような、
もしかしてって何だよ。

「私が異動すること知ってたんですか?」

はっ!!!!?

「うわっ!もーーー」
知らなかったよ!
「そうなんですか?」
いやいやいつから?
「今年いっぱいですかね」

血の気が引いた、
今年で2回もこんな気持ちになるなんて、
なんでだよ。



続く。

雷霆を告げる音

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